2015.06.26

被災者と住民結ぶ「おしゃべり畑」交流育む

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「おしゃべり畑」で、栽培方法などについて打ち合わせをする元木さん(右)と伊藤事務局長(中央)ら

 東日本大震災で被災し現在は宮城県登米市に住む人たちと、同市に長く暮らす住民との交流を深めようと、NPO法人「故郷まちづくりナイン・タウン」(登米市)が市内に「おしゃべり畑」を設けた。一緒に農作物を作りながら会話を楽しむ場で、被災者だけでなく広く参加者を募っている。

 おしゃべり畑は、同市中田町の畑約20アールを地元農家から借りて5月に開設。中田町の住民らも参加し、比較的育成に手間のかからない小麦、タマネギ、里芋、カボチャなどを植える。収穫した食材を使った料理を作る食事会も行う予定だ。

 ナイン・タウンは登米市と宮城県南三陸町でまちづくりの活動をしている。伊藤寿郎事務局長(55)らが「登米に避難して来た人たちが心を休めるような機会をつくり、地域で受け入れていこう」と方策を模索。遊休耕作地を有効利用し、おしゃべり畑を作ることを考えた。

 ナイン・タウンは現在、同市で暮らす南三陸町の被災者で組織する「登米市南三陸会」の代表元木静雄さん(74)らを通じて参加者を募っている。元木さんは「知り合いが少ないため家にこもる人も多い。外に出る機会があれば、地元の登米の住民と触れ合うきっかけになる」と歓迎する。

 伊藤事務局長は「津波被害のなかった内陸の人たちに、被災地のいまの実情を話すなどしてもらえれば、今後必要な支援などがもっと見えてくるかもしれない」と話す。

 参加者は、被災者だけでなく登米市に新たに住み始めた人も対象。連絡先はナイン・タウン0220(44)4301。

2015年06月24日河北新報

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