JR東日本は2日、東日本大震災で被災した仙石線に、新型のディーゼルハイブリッド車両を導入すると発表した。仙石線が全線復旧する2015年、東北線と乗り入れするダイヤで運行を開始する。
新型車両はディーゼル発電機と蓄電池でモーター走行し、ブレーキ時には回生エネルギーで充電する。仙石線が直流、東北線が交流とそれぞれ電化方式が異なるため、JRは架線を使わずに走行できる車両の採用を検討していた。
JRによると、既存ディーゼル車に比べて消費燃料を約1割、窒素酸化物や粒子状物質の排出を約6割それぞれ低減できるほか、停車時の騒音も抑えられる。2両編成(定員約260人)を8組新しく造る計画で、投資額は未定。
仙石線の高城町駅と東北線松島駅(ともに宮城県松島町)付近に接続線(約300メートル)を整備。津波被害で不通となっている高城町-陸前小野駅間の運行再開に合わせて、東北線乗り入れを始める予定になっている。
ディーゼルハイブリッド車が宮城県内を走るのは初めて。仙台-石巻駅間で直行運転が始まれば、所要時間は被災前の約70分から10分程度短縮される見通し。
JR東日本の冨田哲郎社長は東京で記者会見し、「新車両の導入で復興が加速し、地元に元気をもたらすことができればありがたい」と述べた。
2013年07月03日河北新報朝刊
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