2013.07.28

県都復興の夏後押し 荒汐部屋 1日からちゃんこ若葉山で受け入れ

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店に掲げる合宿所の横断幕を手にする政志さん(右)と文子さん

 大相撲の名古屋場所で幕下優勝した剛士さん(19)=本名・大波港=と三段目で活躍する大波さん(21)=本名・大波渡=の両親で、福島県福島市方木田で料理店「ちゃんこ若葉山」を営む元力士の大波政志さん(46)、文子さん(47)夫婦は、8月1日から2人が所属する荒汐部屋の合宿を店で受け入れる。部屋の全力士13人が店で寝泊まりする。約2週間の合宿中は店を休んで「臨時相撲部屋」に専念。力士は「福島復興夏合宿」と銘打ち、市内で住民と交流し地域に元気を届ける。
 荒汐部屋は荒汐親方(58)=元小結大豊=が師匠で、政志さんの次男の剛士さん、長男の大波さんの他、同じ福島市出身で幕下の福轟力(ふくごうりき)さん(25)=本名・赤井浩城=が所属している。名古屋場所で2年半ぶりに本場所復帰した蒼国来(そうこくらい)関(29)を筆頭に力士13人が都内の相撲部屋で日々、稽古に励んでいる。
 力士らは料理店1階の客席と2階の宴会場などで合宿生活を送る。政志さんはちゃんこ作りのアドバイスや、力士の髪結いなど身の回りの世話をして合宿を支える。政志さんが日頃、相撲を指導している福島市内の中学生7人も合宿に参加し相撲部屋の生活を体験する。
 稽古は市国体記念体育館近くにある市営相撲場で毎日午前6時半から同10時ごろまで行う。一般公開し、力士の激しいぶつかり合いを直接見ることができる。力士は市内のイベントにも参加し、慰問活動などを通して地域住民と触れ合う。8月3日には福島わらじまつりの「わらじ競走」に出場するほか、7日は復興支援として、避難生活を送っている飯舘村の小学生らに相撲を指導する。
 政志さんは元幕下の若信夫。元小結・若葉山を父に持つ文子さんと結婚後、15年前に古里の福島市で店を開いた。店を切り盛りする傍ら、長男大波さん、次男剛士さんを指導し、角界に送り出した。三男の渥(あつし)さん(18)も東洋大相撲部で力士を目指す、相撲一家だ。
 福島合宿は政志さんが提案した。合宿を通して東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの復興につなげたいと部屋に持ち掛け、荒汐親方は「被災地・福島の力になれるのであれば」と快諾した。
 大波夫婦は「大好きな相撲を通して震災や原発事故の影響に苦しむ県民を少しでも勇気づけたい」と力士の到着を心待ちにしている。

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