2013.09.03

支援員カップル、仮設で披露宴 被災者が手作りうたげ 岩沼

仮設住宅の住民らに囲まれてケーキに入刀する明さんとさとみさん

仮設住宅の住民らに囲まれてケーキに入刀する明さんとさとみさん

 宮城県岩沼市で東日本大震災の被災者支援に取り組む男女が結婚し、市内の仮設住宅集会所で1日、披露宴が行われた。つらい時期も見守ってくれたことへの感謝の気持ちを込めて、被災者が企画した手作りのうたげ。温かい祝福を受けた2人は「一生の思い出になる」と喜びをかみしめた。
 結婚したのは、いずれも同市の里の杜サポートセンター(青年海外協力協会運営)で生活支援員をしている桝山明さん(28)=新潟県魚沼市出身=と、さとみさん(36)=旧姓杉山、埼玉県三郷市出身=。
 2人は青年海外協力隊の元隊員で、震災を機に被災地でボランティア活動を開始。2011年8月からそろって里の杜サポートセンターのスタッフになり、被災者の生活相談などに応じてきた。一緒に活動するうちに互いに引かれ合い、ことし7月7日に入籍した。
 当初は披露宴をする予定はなかったが、入籍を知った被災者から「2人にお世話になった。ぜひお祝いさせてほしい」との申し出があり、仮設住宅集会所で開催することになった。
 披露宴は全て仮設の住民が用意した。純白のウエディングドレスは約1カ月かけて縫い上げ、ケーキや料理も手作り。長テーブルを並べた会場には約150人が詰め掛け、わがことのように結婚を喜び合った。
 明さんは「こんなに多くの方に祝っていただけるなんて想像もしなかった」と感激。さとみさんも「東北の方々の優しさに感謝します」と目を潤ませた。
 行政区長の小林喜美雄さん(65)は「2人のさまざまな支援は本当にありがたかった。結婚は私たち被災者にとってもうれしいこと。仲良く幸せに暮らしてほしい」と祝福した。

2013年09月02日河北新報朝刊

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