2013.12.29

仙台・長町ご当地グルメ「N-1」 天ぷらパン、初代王者

優勝の喜びを分かち合う加藤さん(左)と一緒に働く夫の征之さん

優勝の喜びを分かち合う加藤さん(左)と一緒に働く夫の征之さん

 仙台市太白区長町で初企画されたご当地グルメの競技会「N-1グランプリ」で、長町3丁目のパン店「おいしいパン屋さん」の天ぷらパンが優勝した。かつて泉区のパン店が作って、高校生に長く愛された歴史がある。おいしさの秘密は受け継がれ、長町の新名物としての期待が高まる。
長町の3商店街でつくる長町商店街連合会が14日開催したN-1には9店が出場した。天ぷらパンは100円(普段は120円)で販売され、来場者の投票を最も多く獲得した。外はサクサク、中はもっちりしているのが特長。現在は小倉あん、クリーム、カレー、チョコの4種類がそろう。

 元祖は、2009年まで泉区南光台で営業していたパン店「千成屋」の天ぷらパンだ。創業直後から50年近くにわたって校内販売された東北高では、たちまち売り切れるため、生徒たちは「幻の天ぷらパン」と呼んだという。 おいしいパン屋さん代表の加藤美枝さん(48)は、千成屋を営んでいた鈴木清信さん(82)の下で製造技術を学んだ。天ぷらパンもその一つで、おいしいパン屋さんでも09年9月のオープン以来、安定した人気を集めている。            同店では福祉作業所として35人の障害者が働いている。加藤さんは「障害者の作業所が結果として評価されたことは、働くみんなの励みになった」と喜びを語る。鈴木さんも「伝えた技を十分生かしてくれているのが何よりうれしい。末永く頑張ってほしい」とエールを送る。優勝した天ぷらパンは「長町天ぷらパン」の名前で、長町名物として連合会を中心に積極的な売り込みを図る。商店街のイベントなどで提供するほか、各店がメニュー化する構想もある。

2013年12月26日河北新報朝刊

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