2014.03.14

語り継ぐのは私たち みやぎ鎮魂の日

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「みやぎ鎮魂の日」シンポジウムで意見を述べる生徒たち=11日午前11時40分ごろ、東松島市の石巻西高

 東日本大震災から3年となった11日、宮城県内は制定後初めての「みやぎ鎮魂の日」を迎え、犠牲者を悼む多くの行事や慰霊祭があった。子どもたちは、地域の追悼行事や学校の集会に参加し、震災の教訓を語り継ぐ意義や防災意識を高める大切さを学んだ。
 石巻西高(東松島市)では「被災地から未災地への提言」をテーマにシンポジウムがあり、生徒や住民ら約200人が参加した。
 震災の記憶が風化しつつある現状を踏まえ、東松島市教委が企画。市内の中学と高校の代表や、仮設住宅の自治会長ら12人が、被災体験や今後の防災の教訓について意見を出し合った。
 矢本二中の生徒会長、雁部那由多君(14)は「震災の語り部の多くは大人で、子どもの視点で語ることが少ない。子どもが感じたことを伝えていかなければいけない」と語った。
 アドバイザーを務めた兵庫県舞子高(神戸市)環境防災科の諏訪清二主任は「子どもたちが災害と向き合えるように手伝うことが教師の仕事。もっと子どもたちが災害について語りやすい場をつくることが大事だ」と指摘した。
 宮城農高(名取市)では、兵庫県教委から宮城県教委に派遣されている中野卓哉主幹が生徒約400人を前に講演した。「兵庫では阪神大震災を経験していない人が増え、記憶の風化が進んでいる。宮城の人々が将来悲しい思いをしないよう、しっかり語り継いでほしい」と語った。
 みやぎ鎮魂の日は県が昨年4月に条例で定めた。大半の県立学校は、生徒が地域の行事に参加しやすいよう休校とした。石巻、東松島両市では全公立小中学校も休校の措置を取った。

2014年03月12日河北新報朝刊

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