2014.04.29

首相の駆け足視察に不満 沿岸北部、仮設住民ら

abesouri2140428

 東日本大震災の復興状況視察のため本県沿岸北部を訪れた安倍晋三首相は27日、慌ただしい日程で、災害公営住宅や高台団地などを視察した。地元は歓迎ムードで出迎えたが、肝心の首相は足早に現場を後に。住宅再建や水産業復興など課題が山積する中、いまだに不自由な生活を強いられている仮設住宅の住民からは「要望を伝える時間さえなかった」と不満の声も漏れた。
 安倍首相は、2月に入居可能になった野田村の災害公営住宅などを視察。その後、三陸鉄道北リアス線陸中野田―普代間で一部貸し切りの列車(3両編成)に乗った。普代村から陸路、田野畑経由で岩泉町小本駅に到着した首相は視察終了後、同駅で「復興が着実に進んでいることを実感することができた」と述べた。
 野田村の野田中仮設住宅では、首相が到着する1時間ほど前から住民が外で待った。しかし、15分ほどの滞在時間はあいさつ程度で、住民との対話はほとんどなかった。
 中野大六(だいろく)自治会長(65)は「あまり取り上げられない沿岸北部に来てもらったのはありがたい」と感謝しつつ「要望を伝える時間もなかった。せっかくみんなが集まったので、被災者に向けて何か一言ほしかった」と残念がった。
【写真=野田中仮設住宅を訪問し、住民と握手を交わす安倍晋三首相=27日午前11時14分、野田村】

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