東日本大震災で被災し撤去された宮城県石巻市雄勝総合支所跡地に、特産品の雄勝硯(すずり)を製作する仮設の工房と倉庫が完成した。目の前には、地元の海産物などを扱う店も入る仮設商店街「おがつ店こ屋街」がある。イベントが25日と6月1日に予定され、雄勝硯生産販売協同組合は「雄勝の魅力を感じられる場にしたい」と意気込む。
工房1棟と倉庫2棟はいずれもプレハブ平屋で、延べ床面積は計約500平方メートル。倉庫は原料の雄勝石を加工する作業場を兼ね、トラックやリフトが出入りできるよう天井を高くした。
組合と、震災で工場を失い仙台市などで硯を生産する3業者が入る。工房の一角は被災した地元の水産加工業者が借りる形で、雄勝の食材を生かした地域おこしに取り組む女性グループ「おがつスターズ」が加工品を製造・販売する。
建物は中小企業基盤整備機構が整備し、市を通じて組合に無償貸与された。近くに設けるステージはイベントに活用。工房は今後、製造現場の見学や雄勝石の絵付けやアクセサリー作りが体験できるようにする。
25日は、おがつ復興市実行委員会が雄勝地区の手業を紹介する「クラフトフェア」を開く。絵付けなどのワークショップがあり、雄勝硯や雄勝石の食器といった工芸品が展示・販売される。1日は工房のオープニングイベントが開かれる。
復興市実行委員長を務める組合の高橋頼雄さん(46)は「工房で雄勝石に親しみ、店こ屋街で海産物を味わってもらい、雄勝のにぎわい拠点にしたい」と話している。
クラフトフェアは午前10時~午後3時。連絡先は石巻かほく商工会0225(62)3161。
2014年05月21日河北新報
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