開通した常磐道常磐富岡-浪江IC間を走る車両=1日午後3時20分ごろ。浪江町内から双葉町方面を撮影
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で整備が遅れていた常磐自動車道常磐富岡(富岡町)-浪江(浪江町)インターチェンジ(IC)間(14・3キロ)は1日開通し、埼玉県と宮城県を結ぶ総延長300・4キロの全線がつながった。浜通りを縦断する大動脈の完成で物流や人的交流、広域観光が活発になり、被災地の復興が加速すると期待される。
1日午前10時から、富岡町の常磐富岡IC付近で開通セレモニーを催した。
安倍晋三首相、太田昭宏国土交通相、望月義夫環境相、竹下亘復興相、内堀雅雄知事、浜通りの市町村長ら関係者約250人が出席。安倍首相は「(常磐道の全線)開通は福島のさらなる復興の起爆剤になる。そのような結果につながるよう、決意を新たにした」と述べた。
安倍首相と閣僚、内堀知事らがテープカットし、くす玉開きをして開通を祝った。
セレモニー終了後、出席者は常磐富岡ICから浪江ICまで通り初めをした。浜通り地方のバス会社や運送会社が、「復興」の文字が入った横断幕を掲げたトラックやバスを走らせた。引き続き、浪江町のサンシャイン浪江で開通式典を開いた。
セレモニーと開通式典に、福島民報社から高橋雅行社長が出席した。
午後3時に一般通行が始まると、常磐富岡、浪江の両IC前に並んだ車両が次々に本線に乗り入れた。楢葉町のならはパーキングエリアも同日、供用を開始した。
常磐道は昭和41年に東京都-いわき市間、62年にいわき市-仙台市間でそれぞれ予定路線が決定し、工事が進められてきた。今回開通した常磐富岡-浪江IC間は平成24年3月までの開通を目指していた。しかし、原発事故で除染が必要になり工事が2年間中断。今年の大型連休前の開通を目指していたが、浜通りの復興を急ぐため供用開始時期を1カ月以上、前倒しした。
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常磐道の全線開通により、震災と原発事故で被災した浜通り地方は高速交通網に本格的に組み込まれる。復興に不可欠な企業立地に弾みがつき、救急医療態勢が向上する。
4月には大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」が始まる。全線開通により、沿線の宮城、茨城、埼玉各県などから浜通りのレジャー施設、温泉などへの入り込みが増えると期待され、関係者は「観光振興の起爆剤になる」と効果を見込んでいる。
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