2015.06.14

亘理・ハマボウフウ開花 被災住民が転居先で栽培

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転居先で初めて開花したハマボウフウをめでる渡辺さん(左)と陽向ちゃん

 山元町の海岸に自生し、東日本大震災で壊滅的な被害が出たハマボウフウの子孫が、亘理町中心部の住宅街で初めて花を咲かせた。被災男性が震災前から取り組む保護活動の一環で、転居した自宅で育ててきた。

 今月上旬から、亘理町下小路の渡辺修次さん(63)方にある6平方メートルの花壇で、約1000株の花が白くかれんに咲き誇る。「触ってごらん」。渡辺さんが孫の陽向(ひなた)ちゃん(3)に声を掛けると、興味深そうに小さな手でめでた。

 渡辺さんは山元町山下中の元校長。乱獲や環境の変化などで減少したハマボウフウの再生に向け、8年前から山元町内の海岸で保護活動を続ける。震災で山元にあった自宅が全壊。2年前に新居を建てた際、震災前に採取した種を植えた。

 「近くの仮設住宅の住民が散歩中に懐かしそうに眺めていく」と渡辺さん。葉や茎は天ぷらや甘酢漬けなどにして食べられる。「両町内で栽培面積を広げ、復興を象徴する郷土料理にしたい」と夢を描く。

2015年06月13日河北新報

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