2015.10.10

「会いたいよ」今も届く手紙 陸前高田・漂流ポスト

hyouryuposuto151009

 もっと話したかった。伝えたかったことが、まだまだある―。東日本大震災の犠牲者らへの思いを預かる、岩手県陸前高田市広田町の「漂流ポスト3・11」に届けられた手紙の供養が8日、同市広田町の慈恩寺(古山敬光住職)で行われた。カフェを経営する赤川勇治さん(66)=横浜市港北区出身=がポストを設けて1年半余り。届いた手紙は約120通に上る。赤川さんは送り主と故人の平穏を祈り、ポストが宛先を失った思いを抱える被災者らのよりどころとなることを願う。
 同日は全ての手紙を持参。古山住職が読経し、赤川さんが焼香した。手を合わせ、犠牲者と手紙を送った人々がともに心安らかであるよう祈った。供養は昨年10月に続き2度目で、この1年で新たに約40通が届いた。
 「会いたいよ 声ききたいよ」「早く帰って来て安心させてくれ。母さんが、母さんが……」。手紙は次々届き、言葉が胸に刺さった。震える手を抑えながら書いたであろう手紙もあった。一方で、赤川さんの励みになる手紙も届いた。「後を追おうと思っていたが、(手紙を書いて)生きよう、と(いう)気持ちになった」。温かな言葉に触れるたび「役に立てた」と、感慨深いものがこみ上げる。
 今では全国から鎮魂と復興を願う手紙が届く。赤川さんは「書くこと、読むことで少しでも心がほぐれるのなら。届いた手紙は全て大事に、大事にお預かりします」と話す。
 匿名や被災者以外の手紙も受ける。宛先は郵便番号029―2208、陸前高田市広田町赤坂角地159の2、森の小舎内「漂流ポスト3・11」まで。
【写真=供養を終えた手紙の束とノートを受け取り、古山敬光住職と語らう赤川勇治さん(右)=陸前高田市広田町・慈恩寺】

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