2015.11.10

外国人旅行客に奥会津アピール 来年2月にモニターツアー

奥会津の町村などでつくる只見川電源流域振興協議会はJR只見線沿線に外国人旅行客を誘致する取り組みを始める。第1弾として来年2月にも、中国・上海から団体客を受け入れるモニターツアーを実施する。四季折々の豊かな自然をバックに走る鉄道への関心を海外でも高め、全線復旧に向けた機運を高めたい考えだ。
 協議会は11日、上海からのモニターツアーを企画する現地の旅行代理店関係者ら3人を招く。県上海事務所が橋渡しをした。
 3泊4日で只見線の列車に乗車するほか、絶景スポットとして知られる三島町の第一只見川橋梁(きょうりょう)、金山町にある全国的にも珍しい天然炭酸水の井戸、柳津町の西山温泉、只見町ブナセンターなどを巡り、コース設定に役立ててもらう。
 モニターツアーは1回当たり20~30人規模で2、3回実施する計画だ。沿線の魅力を存分に味わってもらい、定期的なツアー客の受け入れを目指す。
 今後は台湾をはじめ、県が観光誘客に力を入れているタイなどを対象に旅行業者の招待を続ける。
 只見線は平成23年7月の新潟・福島豪雨で橋りょうなどが被害を受け、会津川口(金山町)-只見駅(只見町)間が不通となっている。外国人観光客が沿線に通年で訪れ、各国で奥会津の魅力が紹介されるようになれば全線復旧に向けた強力な後押しになると協議会関係者はみている。一方、県側はモニターツアーを契機に上海からの団体旅行が企画されれば、運休が続いている福島空港の上海便復活に向けた動きにつながると期待している。
 経済成長に伴い、中国では旅行熱が高まっている。同国最大の会員制交流サイト(SNS)「ウェイボー」で雪化粧した只見川沿いを走る列車の写真が紹介され、大きな反響を呼んだという。最近になって中国人観光客が第一只見川橋梁を望む展望台を訪れるようになっていることも踏まえ、協議会は現地からの誘客に力を入れる。
 協議会事務局を担う奥会津振興センターの吉田紀之事務局次長(43)は「只見線は世界に通用する観光資源だ。海外から誘客を進め、全線復旧と東京電力福島第一原発事故の風評払拭(ふっしょく)につなげたい」と話している。phpThumb_generated_thumbnail

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